寒い季節に身体を温めてくれる甘酒。
古くから優しい甘みが日本人の心を癒やしてきたドリンクですが、近年健康にも良いことが知られ、腸活に、免疫アップにと広く取り入れられるようになりました。
甘酒は大きく分けて、酒粕で作るものと米麹で作るものがありますが、米麹の甘酒を自宅で作るときの基本的な材料は、米麹と水、それに白米を炊いたご飯ですね。
でも、実際は米麹と水だけでも甘酒作りはできます。
甘酒作りにご飯を使うのはどうしてでしょうか?
今回の記事はその理由と、ご飯なしで作る方法について解説します。
そして、それ以外の材料を加えたアレンジ甘酒など、甘酒をもっと自由に楽しむ方法もご紹介していきますね。
甘酒にご飯を入れる理由
米麹と水だけで作った甘酒は、麹の風味がしっかり感じられるメリットがあります。
一方で、甘酒にご飯を入れるメリットは何でしょうか?
理由はいくつかありました。
コストが安くなる
甘酒の材料となる米麹はお米に麹菌を植え付けたものです。
米麹のお米の糖分だけでも甘酒作りはできるのですが、ご飯を入れることで米麹の餌となる糖分が増えるので、少ない米麹でもたくさんの甘酒を作ることができます。
米麹は250gで350円程度、一方でお米は10kgで3000円のものを使えば250gで75円です。
炊いたご飯でかさ増しすれば、コストをおさえることができるんですね。
毎日の食生活に気兼ねなく甘酒を取り入れていくためには、コスパは最重要項目です。
お米を炊く手間は増えますが、それでもご飯を入れて甘酒作りをする方が多いことに納得でです。
甘みが強くなる
ご飯を入れることで、麹菌の餌となる糖分が増えるのですが、麹菌は酵素を出して、お米のデンプンを自分の餌となる糖分に分解します。
出来た糖分がすべて麹菌に食べられるわけではなく、むしろほとんどが甘酒の中に残ります。
そのため、ご飯を入れることで、甘くて濃厚な甘酒ができるんです。
お米の食感が楽しめる
ご飯を加えて作った甘酒は、ご飯のつぶつぶが残るのが特徴です。
家で昔からご飯を使った甘酒を作っている方には、市販のサラッとした甘酒では物足りない、という方もおられます。
逆に、ご飯は入れたいけどつぶつぶは必要ない、という方はミキサーに掛ければ大丈夫ですよ。
甘酒をご飯なしで作ることはできる?
麹と水だけで甘酒は作れますが、上記のような特徴はなくなり、
・ごはんなしで作ると、どろどろとした食感はなくなります
また、お米のざらざらとした食感もなくなってしまいます。
ご飯ありで作るかなしで作るか、これは好みの差だと思います。
ご飯ありだと食感があるので、「食べた!」という感じがしますが、
ご飯なしだとさらさらの甘酒になるので、飲み過ぎてカロリーが気になるという点がありますね。
では、ご飯以外のものを加えて甘酒を作ることって可能なのでしょうか?
甘酒のご飯の代わりは?
白米のご飯で作ることが多い甘酒。
実は炭水化物が多いものであれば、他にもいろいろなものが甘酒作りに使えます。
ここでは、実際に作っている方が多くて味に評価が高いものをご紹介します。
普通のお米(うるち米)よりも糖分に変わりやすい成分で出来ているため、
同じ分量で作っても、より濃厚な甘みとコクが楽しめる甘酒になります。
濃厚なので、豆乳やココアなど他のドリンクにブレンドするのにぴったりの甘酒です。
お餅をしばらく水に漬けてから、とろとろに炊き上げたものを使います。
とても甘くて濃厚な甘酒になります。
余ったお餅でも作れるので、鏡開きの有効活用にもなる嬉しい作り方です。
栄養素豊富な玄米を加えた甘酒です。
玄米には不溶性の食物繊維が多く、また表面にロウ層という構造を持つため、消化が悪いというデメリットがあります。
でも、甘酒にすると発酵で消化吸収がよくなり、玄米ご飯を食べるよりも効率的に栄養素を吸収できるというメリットがあります。
また、玄米ご飯のパサパサとした食感や独特の香りに抵抗があるという方も、甘酒なら気軽に取り入れられそうですね。
他にも、意外なものがありますよ。
最近ダイエットや体づくりに興味のある方たちの間で話題のオートミール。
甘酒をオートミールで作れば、水溶性食物繊維と麹菌の組み合わせで、腸活にもぴったりですね。
お味は、オートミール特有の麦らしい香ばしさがあり、糖分が控えめなため、ややすっきりとした甘さです。
ご飯に炊き込むタイプの雑穀ミックスを加えて作ります。
ミネラルやビタミンなどの栄養素が豊富です。
また、何種類もの雑穀のつぶつぶした口ざわりが面白い、ユニークな甘酒に仕上がります。
おしるこのような、小豆のほっくりとした味わいが特徴です。
牛乳やお好みの植物性ミルクで割って小豆ドリンクにしたり。
お餅や白玉を加えてお砂糖なしのぜんざい風スイーツとしても楽しめます。
見た目の黒さにびっくりのお米ですが、アントシアニンというポリフェノールを色素として含んでいて、目や肝臓に良い働きがあると言われています。
白米に比べるとマイルドな甘さで、黒米のプチプチとした食感が楽しめる甘酒になります。
ほっくりとしてとろみがある甘酒ができあがります。
優しい黄色が目に嬉しいですね。
さつまいもと甘酒のダブルの甘味をしっかり感じられるので、スイーツ好きの方にはぜひ試していただきたい甘酒です。
甘酒の楽しみ方
身体に良い効果がいっぱいの甘酒ですが、飲む点滴とも言われるように、実は糖分の多い飲み物です。
コップ一杯で約160kcal、毎日飲むとなれば決して小さなものではありませんね。
甘酒に多く含まれるブドウ糖は素早くエネルギーに変わる性質があります。
一日一杯程度、仕事や活動の前のエネルギーとしていただくと、エネルギッシュな毎日が過ごせますね。
まとめ
これまではどちらかというと和風のアレンジが多かった甘酒。
最近、海外では植物性ミルクのひとつとしても注目される流れも出てきています。
ヴィーガンやマクロビ、プラントベースなどの植物性素材のめぐみを取り入れたレシピに、甘酒のやさしい甘さはぴったりです。
手作り甘酒をライフスタイルに取り入れて、その新しい魅力を台所から発信してみるのも素敵ですね。
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