「スケジュールをおさえる」仕事・プライベートともに色々な場面で活躍する言葉ですね。この「おさえる」を漢字で書きたい時、どの字を使えば良いのでしょうか?
「おさえる」という音を耳にしたとき、まず頭に思い浮かぶのは次の2つでしょう。
・押さえる
・抑える
「押さえる」・「抑える」、どちらも何かをとどめるような、似たイメージのある漢字ですね。
スケジュールに対して使う場合は、この内のどちらを使っても良いのでしょうか?
もしくはどちら一方が正解なのでしょうか?
この記事では、「スケジュールをおさえる」の漢字表記について、「押さえる」と「抑える」のどちらが正しいのかについて検証していきたいと思います。
スケジュールをおさえるの漢字は押さえる?抑える?
・押さえる
・抑える
この2つの言葉には、それぞれどのような意味があるのでしょうか?
実際にはどのように使うべきなのか、辞書で調べてみました。
押さえると抑えるの意味の違い
「押さえる」という言葉には、
・物が動かないように、押しつけて力を加える
・自己に属するものとして確保する。また、差し押さえるコトバンクより引用
など、物理的に押さえつけて動きを取れなくするような意味があります。
一方で、「抑える」という言葉には、
・ある水準以上には高まらないようにする
コトバンクより引用
といった意味合いがあります。
よって、
ひらがなで書いてもいい?
スケジュールの場合、「押さえる」が正しい表記であることは分かりましたが、ひらがなで書くことも可能でしょうか?
分からなくなってしまった場合、あるいは間違いを防ぐためなどにあえて使うなど、ひらがなで表記することのメリットもありそうな気がします。
世間ではどう思われているのでしょうか。
私の周囲の人たちに、2つの言葉の使い分けについて聞いてみました。
私の周囲に聞いてみると、結果としては上記のような使い分けをきちんと理解している人は半分程度で、「抑える」の方を正解だと思っている人も数人いました。
この事を考えると、一般生活の上ではひらがなで書かれていても問題はなく、むしろ混乱を避けるためあえてひらがなにしても良い場合もあるかもしれないと思いました。
会社や役所の書類などは?
では、会社や役所の書類など、きちんと書くことが求められる文章についてはどうでしょうか?
従来、公的な文書の場合は話し言葉ではなく書き言葉が使われ、意味がきちんと伝わるように表意文字である漢字をなるべく使うことが望ましいとされてきました。
しかし近年、増加している日本在留の外国人が理解しやすいように日本語を易しくしよう、という動きがあります。
そのため、特に行政上では従来ほど漢字にこだわらない姿勢が出てきています。
また、日本人でも、IT機器の普及や使用頻度の増加により「漢字を正確に読み書くことが難しくなった」と感じている人が増加しています。
パソコンやスマートフォンなどで文章を書く場合はかなから漢字へ変換する機能があり、自動変換候補も出てきます。
そのため、手書きと比較して自分で字を調べてから書く機会が減っているため、漢字の同音異義語の意味を取り違えたりあやふやに覚えている人は増加傾向にあります。
従来漢字表記されていたものがひらがな表記されるようになる例も増えています。
一例として「宜しくお願い致します」というあいさつ文が挙げられます。
10年ほど前ならビジネス文書で良く使われた「宜しくお願い致します」ですが、ネットで検索すると約 62,500,000 件がヒットします。
一方で、かな混じりにした「よろしくお願いいたします」だと、約 779,000,000 件がヒットします。現在ネットではひらがなを取り入れた表記の方が10倍以上使われていることがわかります。
これらのことから考えると、「おさえる」についてはひらがなで書くことが多いというのもうなずけます。
「予定」の場合は?
「スケジュール」は英語ですが、日本語では「予定」と訳される場合が多いですね。
「予定をおさえる」の場合も「押さえる」を使って大丈夫でしょうか?
答えは「OK」です。
辞書を見ると
「スケジュール:あらかじめ具体的に立てられた予定、計画。」
コトバンクより引用
とほぼ同じ意味になっていますので、どちらでも「押さえる」が適用できることが分かります。
まとめ
今回は「スケジュールをおさえる」を漢字で書きたい時
・押さえる
・抑える
のどちらが正しいのかについて検証しました。
この場合、自分のものとして確保する意味を持つ”押さえる”を使い、「スケジュールを押さえる」とするのが正しいことが分かりました。
しかし一方で、「押さえる」「抑える」の意味を深く追求しない人も増えており、このような同音異義語を漢字で細かく使い分ける機会や必要性が減ってきているようです。
日本語は年々簡単になっていると言われます。
ゆとりやシンプルさを求める時代ですが、
その一方で忙しいスケジュールに追われている人が多いのが現状です。
言葉の成り立ちを念頭に置いておくことで、細かい気遣いを文章にしのばせられることができたら素敵ですね。
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引用:コトバンク
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