突然ですが、皆さんは子供の時、母親のことを何という呼び名で呼んでいましたか?
ママ?お母さん?
子供が生まれて最初に意味ある言葉を発する瞬間、親としてはとても感慨深いものがあります。
その最初の言葉の大抵は、ママか、パパという言葉を耳にするかと思います。
それを親が聞いた時、自分のことをママと呼んでくれた!という気持ちになり、感動して本当に嬉しくなるものです。
しかし、家庭によって、子供が親を呼ぶときの呼び方を、小さいうちから決めて呼ばせたりする場合もあります。また、少なからず、世代間の考え方の違いも存在すると思います。
例えば、昭和世代の中で育った人たちであれば、親への礼儀を重じてお母さん、と早い段階から呼ばせていた、という話を聞いたこともあります。
今回は、母親への呼び方として、ママとお母さん、という呼び方の切り替えについて見ていこうと思います。
ママとお母さんの切り替えはどうするべき?
子供が最初にママ、と発するのはどうしてかといえば、「マ」という言葉自体が、唇を閉じてから口を大きく開けることによって発することのできる、比較的発音しやすい音であることと、同じ音が2つ続いている音だから、ということも大きな要因の一つです。
一方、お母さん、という呼び方は、少なくとも子供が意味理解をし始めて2語の文章を話せるようになる2歳以降でないと、難しいものです。
子供が小さいうちは、ママと呼んでいる様子は可愛らしいものですが、子供が高校生くらいになってもママと呼んでいる場合は、少し違和感を覚えるものです。
とはいえ、母親に対して、ママとお母さんという呼び方が2通りあるのは、日本ならではとも言えます。
昔の映画などを見ていると、母上、おっかさん、お袋、など、もっと豊富な呼び方があることも実感できます。
それほど、古代から日本では、母親に対する尊敬の念が強いことも、文化の特徴として伝わってきます。
個人的には、子供が物心ついた頃に母親への愛情を感じてママと呼ぶ段階で、親側が無理にお母さんと呼ばせるのも、何か可哀想な気もします。
ただ、幼稚園受験など、早い段階から何か試験を受けさせる予定がある家庭では、少し例外と言えます。
家庭ではママ、公共の場ではお母さん、という呼び方を少しずつ子供に意識させていくと、そのうち自然と子供は呼び方の切り替えができるようになると思います。
実際に、自分が子供だった時のことを振り返って考えると、私は幼稚園の頃までは自然とママ、と呼んでいましたし、小学校に入ってから、お母さん、と切り替えて呼ぶようになったように思います。
小学校に入ると、文字も読めたり書けたりできるようになり、国語の教科書などでお母さん、という表記も沢山見かけるため、自然とお母さん、と呼ぶことに抵抗がなくなるものです。
そして家に帰れば、家庭内ではママと呼ぶことを自然に切り替えることができます。
一方、特に男の子の場合には、思春期に入ると、母親に対して反抗的になったり、恥ずかしさを持ち始めるため、ママという呼び方自体に抵抗を感じ、ママと呼ぶのを控えるようになることもあります。
そうなると、彼らに残された母親への呼び名の手段としては、お母さん、という呼び方が有力となるわけです。
そのようにして、個々人の持つ、自然な発達の流れに委ねながら、切り替えのタイミングの様子を見ていく、という方法もあると思います。
ママとお母さんの呼ばせ方はどっち?
私にも未就学児の子供がいますが、私の場合には、子供は私のことを現時点ではママ、と呼んでいます。
ただ、子供同士の園でのおままごとや、テレビの影響などからか、突然子供が、お母さん、と呼ぶこともあり、その時はびっくりしてしまいます。
しかし、冷静に考えてみると、子供からママと呼ばれようが、お母さんと呼ばれようが、母親のことを呼んでいることに変わりはないわけですので、呼んでくれた時には、しっかりと応えるようにしています。
以前私が住んでいたマンションのママ友の子供は、母親のことをお母さんと呼んでいました。
私が、その子供に対して、ママは?などと話しかけると、そのママ友は、「うちでは、ママと使わないから」と言いました。私はその時、驚いたと同時に、なぜか少し複雑な気持ちにもなりました。
親のエゴで、ママと呼ばせたくないがためにお母さんと無理やり言わせるような習慣をつけていくと、子供は母親を呼ぶこと自体に抵抗を覚えて、母親とのコミュニケーション自体を避けていく可能性も考えられます。
何より大切なのは、呼び方自体に対して、子供に無理強いせずに、親子の愛情を育む中でどちらの呼び方がお互いにとってベストなのかを見極めていくことなのではないかと思います。
海外では、大人になっても母親のことを愛情込めてママと呼ぶのは当たり前ですし、そのような曲のタイトルも沢山存在しています。
日本だからこそ、ある意味で、ママとお母さんという呼び方の間で悩んでしまうということが起きるのも事実です。
例えば、成人した男性が、母親のことを公共の場でママと、恥ずかしげもなく呼んでいるのを見かけたとします。
あなたはどんな気持ちになるでしょうか?マザコンだなぁ、と思う人もいるかもしれません。それに対して何の違和感を感じない人もいるかもしれません。
何が言いたいかというと、感じ方は人それぞれだということです。
最近だと、夫婦間の呼び名で、妻のことを夫がママと呼ぶケースも増えているようです。
日本におけるママという呼び名は、範囲が広いということも言えるかもしれません。
もし、夫が妻のことをママと呼ぶことが習慣となっている家庭であれば、それを聞いて子供は、母親のことをママと呼ぶのは普通だ、という風に認識することになります。
よって、子供に対して、母親の呼び方を統一させたいならば、夫が妻のことをどのように呼ぶのか、というところにも配慮することが大切になります。
一方で、夫が妻のことをお母さん、と呼ぶ家庭も見られます。
この場合には、割と昔の時代の家庭に多く見られた傾向があるようです。
その場合にも、前述した通り、子供は母親のことをお母さんと呼んでいいのだと認識し、同じように呼ぶことにつながります。
しかし、子供にとっては幾つになったとしても、母親の存在がママであることに変わりはなく、幼い頃の呼び方が、大人になっても親しみのあるものとして続いていくことは確かなようです。
呼び名というのは、コミュニケーションツールにおいて、本当に大きな役割を果たすことは言うまでもありません。
また、呼び名を多く聞いたり、言ったりする経験を重ねることで、習慣化していく大きな影響力を持ちます。
日本には、お母さん、という呼び名があることから、母という存在に対してより強い思いを馳せたりすることも可能になるとも言えます。
お母さんとお義母さんが、漢字は違ども同じ呼び方をしたり、高齢の女性に対しても、お母さん、と、親族でない他人の人が尊敬の念を込めて呼ぶ場面も見受けられます。
こうしてみてくると、実に呼び方の中にも色んな意味が込められていて、様々な思いが込められている、ということを実感させられるものです。
まとめ
今回は、母親の呼び名について見てきました。呼ばせ方は、その家庭の価値観によって様々あるとは思いますが、どの呼び方にも愛や尊敬が込められている、ということを知ってもらえたのではないかと思います。
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