毎年必ずやってくるお正月。
お祝いムードにあふれるお正月の家を、華やかに彩るのが正月飾りですね。
正月飾りには、代表的な3つの種類としては、しめ飾り・門松・鏡餅の3種類があります。
今回は、正月飾りについて、付け方や飾り方などの疑問、そして正月飾りの持つ意味などについてまとめています。
正月飾りの玄関ドアへの付け方は?
玄関ドアにつけるタイプの正月飾りは「しめ飾り」と呼ばれます。
しめ飾りは、しめ縄をいくつかの縁起物で飾り付けたもの。
玄関ドアの上の方に人の目線よりも上になるように飾ります。
おうちによっては、玄関ドアの上にしめ飾りを掛けるためのフックがあるという場合もあるのではないでしょうか。
大きなタイプのしめ飾りには、据え付けのフックがあると安定感があり便利ですね。
最近は玄関枠に引っ掛ける小さなフックの商品や、両面テープで止められるものなども販売されていますので、ご自宅の玄関に合った取り付け方で飾ることができますね。
玄関のドアが開くタイプであれば、ハンガータイプのものは糊付けをしなくても良いので便利ですね。
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正月飾りの基本的な飾り方
しめ飾り・門松・鏡餅の代表的な三種類の正月飾りについて、それぞれどのように飾るのが良いのでしょうか?
地域差もありますが、全国の多くの場所で良く行われている基本的な飾り方についてまとめました。
しめ飾り・門松・鏡餅はいつからいつまで飾る?
正月飾りは、年末から松の内(1月7日もしくは1月15日まで)まで設置するのが一般的です。
飾り始め・片付けの日にちについてはいくつかポイントがあります。
飾り始める時期としては、年末、飾り始める時期は、年末のすす払い、つまり大掃除で家を清めた後となります。
日にちとしては、12月13日以降とされます。
現代では、クリスマスの飾り付けが終わった26日以降に飾り付けることが多くなっています。
ベストなのは、縁起の良い”末広がり”につながる八(8)の付く日、つまり28日です。
一方で、正月飾りの取り付けを避けるべき日もあります。
・12月31日:急な飾り付けは神様に失礼であり、また”一夜飾り”が葬儀を連想させるので避けます。
また、旧暦の時代は31日が存在しなかったため、12月30日が大晦日でした。
そのためやはり”一夜飾り”となるので避けるべきという考えもあります。
まとめると、正月飾りをする日は12月の26日・27日・28日、もしくは旧暦を気にしなければ30日、のいずれかが良さそうですね。
しめ飾り・門松・鏡餅を片付けるときは?
しめ飾りと門松は1月3日までの三が日、あるいは1月7日(もしくは1月15日)の松の内まで飾るのが一般的です。
鏡餅については、昔は松の内まで飾る事が多かったそうですが、現代では1月11日のゾロ目の日に鏡開きとして下ろすのが縁起が良いとされます。
外した正月飾りは神社に奉納するか、どんど(とんど)焼きでお焚き上げしていただきましょう。
それらの方法が取れず自宅で処分する場合は、塩で清めて紙で包み、自治体の指定の方法で処分するのが良いでしょう。
しめ飾り・門松・鏡餅の意味は?
お正月はもともと、家に年神様をお迎えし、共に過ごして一年の幸福を祈る神聖な行事です。
年神様は、一年に一度それぞれの家々を訪れて実りと幸福を授けてくださると言われます。正月飾りは年神様がいらっしゃるときの目印として、また年神様が宿る「依り代」としてお正月に欠かせないものです。
門松とは?
玄関前に設置するタイプの正月飾りは「門松(松飾り)」と呼ばれます。
年神様がいらっしゃるときに迷わず来られるように目印として玄関の前に建てられます。
古くは松のみを使いましたが、現在は竹やその他の植物も使った物が多くなっています。
本来は門の前に飾る物でしたが、現在は門のないお宅も多く、また交通事情の理由などもあって、玄関ドアの前に設置する事が多くなっています。
門松は左右でひと組となっており、左に雄松(黒松の門松)・右に雌松(赤松の門松)を飾るのが本来のしきたりです。
松は一年中落葉せず青々としている事から、永遠の命や生命力、そして神の力が宿るとされます。
竹もまた成長が早く冬でも青く葉を茂らせているため生命力の象徴とされ、門松を彩る縁起物として使われます。
新春に咲く梅も加えた「松・竹・梅」としている門松も多いですね。
しめ飾りとは?
しめ飾りは、神様のいらっしゃる場所の象徴であるしめ縄に、各種の縁起物をあしらった正月飾りです。
年神様が家にいらっしゃるときの目印となる外、災いが外から入ってこないためのお守りでもあります。
しめ飾りに良く使われる縁起物には、次のようなものがあります。
・裏白(うらじろ):葉の裏が白い植物で、白髪に例えて長寿を表す
・ゆずり葉:新しい葉ができてから代を譲るように古い葉が落ちるため、子孫繁栄を表す
その他にも、地方によっていろいろな縁起物があしらわれるようです。
鏡餅とは?
鏡は昔から神聖な力を持つとされ、三種の神器のひとつともされていました。
年神様は穀物の神様でもあるため、餅を神聖な円鏡のかたちに作ったものはお正月の間に年神様が宿る依り代となります。
餅の数は大小を二段に重ねるのが一般的です。
餅には裏白や橙、地方によっては昆布やスルメ、ゆずり葉といった縁起物が飾りとしてあしらわれます。
三宝「三方」という3方向に穴のある木製の台に載せられます。
鏡餅を飾る場所としては、床の間が最も適していると言われます。
床の間がない場合は、玄関から離れた家の奥まった場所が良いと言われますが、
現代では美しく飾り付けた鏡餅を玄関に飾り付けて、家族・来客ともに目からお祝いする場合も多いようです。
鏡餅はお正月が終わると鏡開きで細かく砕かれます。
その際は包丁は使わず、木槌や手で小さく割ったり砕いたりします。
武士の時代の名残として、刃物を使うのは切腹を連想させるので良くないのだそうです。
砕いた餅はぜんざいやかき餅などにして家族皆でいただき、一年間の無病息災を祈ります。
まとめ
正月飾りは年神様を迎えるための目印や神様の居場所となる依り代としての意味があります。
それぞれの地方で一緒に飾る縁起物や形が違う場合もありますが、年神様の喜ぶような縁起の良い物を飾るという根本の気持ちと基本的な作法は同じです。
引っ越しや帰省などで地域をまたいだお正月を過ごす方もおられるかもしれません。
それぞれの違いや由来を楽しんでみるのも良いですね。
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