日常生活でよく使う表現として、「日差しが差し込む」という言葉がありますね。
改めてこの言葉の意味を考えたときに、
・日差し
・差し込む
この二つの言葉が、「差す」という意味で二重表現ではないかという意見があるようです。
この記事では、「日差しが差し込む」が二重表現であるかどうかについてまとめています。
日差しが差し込むは二重表現?
結論から言うと、「日差しが差し込む」という言葉は、二重表現と言えます。
しかし、この言葉が決して間違っているということではありません。
日常的に使う言葉としては、特に問題はありません。
ただ、「日差しが差し込む」という言葉は、新聞などの文章のなかでは使われることはありません。
この二重表現を避ける言葉としては、
・日の光が差す
という言葉が代替になります。
これはなんとなくのニュアンスですが、「日差しが差し込む」は日差しを更に強調した言い方のように感じますね。二重表現だからだと思います。
文法的には二重表現としても、ごくごく自然に使われる表現です。
日差しと陽射しの違いは?
「日差し」と「陽射し」の違いが気になる、と言う人も多いと思います。
具体的に文章を書くときに、どちらで書いていいか悩みますね。
オンライン辞書を調べてみると、「日差し」と「陽射し」は、特に意味の違いはないようでした。
ひ‐ざし【日差(し)/陽射し】
日の光がさすこと。また、その日の光。「―が強い」「―を浴びる」
goo辞書より引用
なんとなくのイメージでは、日差しよりも、陽射しのほうが日照りの強さが強い気がします。
「太陽」の「陽」が付いているからでしょうか。
会話の上では漢字は関係がないですが、書き物では、「日差し」のほうが、よく使われるような気がします。
エッセイや、文章を書くときには両者を使い分けるという人もおられるようですね。
私個人は、「日差し」をよく使いますね。「陽射し」は、書いたことがないかもしれません。
日常的な二重表現は他にも
「二重表現」という言葉は、国語で少し習いますが、社会人になるとあまり使うことがないかもしれません。
どんな言葉が二重表現でしょうか。改めてみていきたいと思います。
炎天下の下
日差しの強いところにいるという意味ですね。
これは、「炎天下」がすでに「炎天の下」と言う意味で、さらに「下」を使うことで二重表現になっています。
「炎天下の下、みんなよく頑張りました」など、運動会でよく使われますね。
後で後悔する
「後で」の意味も、「後悔する」という意味も、どちらも「後」という意味が含まれていて二重表現になっています。
これも、よく使われる表現だと思います。
「後で悔やむ」や、ただ「後悔する」という表現なら文法的には間違いにはなりません。
「後で後悔するぞ」なんてよく言いますね。なんとなく強調された言い方ですが、この言葉にはかなり違和感を覚えるという人が結構いらっしゃるようです。
まず最初に
「まず」は、「先ず」という漢字で、「はじめに」という意味があります。
「最初に」という言葉と、重複してしまっていますね。
ただ、この言葉はスピーチなどでも使われることが多い言葉だと思います。
強調された感じがしますね。
会話では問題ないですが、文章にするときは、「まず」「最初に」だけでいいと思います。
車に乗車する
「乗車する」という言葉そのものに、「乗り物に乗る」と言う言葉が含まれています。
それに、「車に」を付けることで、二重表現になっています。
これは、「車に乗る」で十分伝わりますね。日常的にも、「車に乗る」と使うことが多いと思います。
「乗車する」というと、少し硬い表現になりますね。
内定が決まる
「内定」という言葉に、「決定する」という言葉が含まれています。さらに「決まる」と言うことで、二重表現になります。
「内定が決まってさ~」なんて、会話ではよく使いますが、、、
「内定する」という言い方が、文法的には正しいですね。
過半数を超える
これは、二重表現の代表格と言えるのではないでしょうか。
「過半数」とは、「半数を超える」と言う意味。さらに「超える」を加えることで、二重表現になっています。これは選挙の場面ではよく使われる言葉ですね。
文法的には、「過半数に達する」や、「過半数を占める」が正しい言い方ですね。
まとめ
「日差しが差し込む」という言葉の二重表現や、他の二重表現の言葉をまとめました。
いずれも日常的にはかなりよく使う言葉であり、すぐに直すのは難しいですが、「日本語の文法」を意識したいですね。
私は、日本語教師の仕事をしているのですが、こういう二重表現は、生徒に聞かれることが多いですね。
「車に乗車する」「車に乗る」どちらが正しいの?と聞かれることもあります。
う~ん、どちらでも伝わることは伝わるけど、「車に乗車する」は二重表現だなぁ。。
でも、二重表現は、外国人の方には、とくに伝わりにくいです。
日本語学習者から、改めて色々と勉強させてくれる日々です。
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