日常的に買う人が多い卵は、いつでも冷蔵庫に入っている食べ物というイメージがありますよね。
鶏卵はニワトリから生まれた卵ですが、食べたり調理する前に洗うか洗わないかが問題にされているようです。
卵は洗うべきなのか、洗わなくてもよいのか、安全なのはどちらか調べてみました。
卵は洗われて出荷されるの?
市販の卵がどうやって出荷されるのか、見たことがない人のほうが少ないかもしれません。殻の表面がきれいな状態でパックに詰められていますが、生まれたばかりの卵もそんなにきれいな状態なのでしょうか。実は、生まれたての卵は、クチクラ層という薄い膜で覆われています。触ると殻の表面がザラザラしていて、殻を守っているのです。クチクラ層があることにより、表面の水分が保たれたり内部への雑菌の侵入が防がれています。
ただし、市場に出回るほとんどの卵は、殺菌洗浄済み。クチクラ層は剥がれた状態でお店に並ぶため、表面がつるつるした状態で使う前に洗う必要はありません。
卵は洗わない方がよいという意見
市場に流通されるほとんどの卵は殺菌洗浄されているため、洗うか洗わないかは好き好きではないかと誰もが思いそうです。ところが、卵は洗わないほうがよいという意見もあります。なぜ洗わないほうがいいと主張するのか、理由を見てみましょう。
理由①すでに殺菌洗浄されている
スーパーなどで売られている卵は、基本的に殺菌洗浄されていると思って間違いないでしょう。それでもサルモネラ菌などが殻に付着しているケースは、10万個に3個あるかないかくらいの割合だそうです。殺菌洗浄はプロにおまかせして、安心してそのまま生で食べても大丈夫だろうということですね。
理由②殻の表面にある無数の穴から雑菌が入る
そもそも卵の殻には、無数の細かい穴が開いています。中身が呼吸するためです。すでに殺菌洗浄されてクチクラ層がなくなっている卵を洗うと、殻に開いた穴から雑菌が入りかねないというのが洗わないほうがよい理由。となると、ゆで卵を作ってから水で冷やしておく時間が長すぎる場合も心配になってきますね。
理由③サルモネラ菌は加熱で死滅する
仮に生みたて卵であっても、サルモネラ菌は加熱によって死滅します。ポイントは、70度以上で1分以上加熱すること。ゆで卵の場合は、完全に問題ないですね。手に菌が付着する恐れがあるため、卵を触った後は手を洗うように注意が必要です。
卵は洗うべきという意見
いやいや、卵は食べたり調理する前に洗わなきゃダメでしょー!という意見もあります。こちらも、なぜ洗うべきなのか理由を見ておきましょう。
理由①サルモネラ菌を誤って口にしたら大変(無洗卵)
無洗卵で心配なのは、殻の表面に付着したサルモネラ菌です。卵だけでなく牛や豚、鶏などの食肉からも感染することがある食中毒菌として知られています。実際、生卵を食べて食中毒になった人もいるというのは怖いですね。少量でも食中毒を起こす危険性が高いサルモネラ菌を落とすために、卵そのものや卵を触った手を洗ったりすることが大切というのが洗うべき派の意見です。
理由②他の食べ物に菌が付着する危険性(無洗卵)
サルモネラ菌は、ほんの少し触れただけでもうっかり口にしてしまい感染する恐れがあります。サルモネラ菌が付着している卵が他の食べ物に触れて、その食べ物を生で食べてしまったらと思うと食中毒が心配ですよね。使う直前に洗うどころか、買ってきてすぐに洗うべきと考えている人もいそうです。
理由③より新鮮な無洗卵を選びたい
わざわざサルモネラ菌が付着している危険性のある無洗卵を選ばず、殺菌洗浄されている卵を選べばよいのにと思う人もいるでしょう。しかし、実は殺菌洗浄せずにクチクラ層が残っている卵は新鮮度が高いという特長があります。クチクラ層は、雑菌の侵入を防ぐだけでなく鮮度も守っているのです。
卵は賞味期限が長めの食品ですが、新鮮なおいしさや栄養にこだわる人には無洗卵のほうが魅力的に映ることもあるでしょう。無洗卵を選んだからには、洗うべきという意見にも納得できます。
卵は洗わない!ふき取る程度でOK
無洗卵でも殺菌洗浄された卵でも、卵は水で洗わず硬く絞った布類で表面を軽く拭き取る程度がよいといわれています。理由は、水洗いすると卵の殻に無数に開いた穴から雑菌や汚れが入りやすいため。水洗いすることで卵が冷えて内圧が下がるのも、表面から汚れが入ってしまいやすい原因です。
とはいえ、卵を拭き取った手に雑菌が付いてしまうのでは?拭くだけで本当に雑菌が取れるの?と心配になる方もいるでしょう。どうしても心配な場合は、やはり殺菌洗浄済みの卵を購入したほうが安心ですね。
まとめ
卵の表面の雑菌を取り去って衛生管理するのは、なかなか大変なこと。下手に洗って逆効果になってしまっても、残念ですよね。間違いないのは、安全な卵を出荷するために気を付けているところから卵を買うこと。洗うか洗わないかで悩みたくない人も、安心できる品質の卵を選んで購入してみてはいかがでしょうか。
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